シチズンホールディングスがミヤノをTOB(株式公開買い付け)で連結子会社にすることになりましたね。
(2008年8月21日付け発表)
新聞によりますとシチズンは、昨年1月の業務提携では、29.9%のミヤノの株式を保有しましたが、
今回のTOBにより34.7%を上限に買い増しして、64%程度の持分にするとのことです。
これにより、ミヤノは、シチズンの連結対象の子会社となる訳です。
シチズンホールディングスの発表資料は、http://www.citizen.co.jp/release/08/pdf/080821ka.pdf
ミヤノの発表資料は、http://ir.eol.co.jp/EIR/6162?task=download&download_category=tanshin&id=588513&a=b.pdf
シチズンさんは、もともと時計部品作りでは、欠かせない主軸「移動」型の小型自動旋盤を
得意としてきました。
最近は、主軸「固定」型もラインナップに加えてきましたが、やはり主流は、主軸「移動」型ですね。
一方、ミヤノさんは、「ライター鑢(やすり)」を作るために自社開発した主軸「固定」型の旋盤の外販をはじめ、
現在に至ったということらしいです。シチズンさんより一回り大きいサイズのワークを得意としてます。
時計屋さんとライターやすり屋さんがルーツの会社が、提携した訳です。
機械の特徴もそれぞれ棲み分けができて、お互いの強みを生かせることを狙った提携ですね。
シチズンマシナリーさんとミヤノさんは、どちらも弊社から1時間ちょっとの距離にあります。
両社も車で下道なら1時間以内、高速(上信越道)なら30分程度の距離だと思います。
同じ、長野県企業として仲良くさせていただきたいと思います。
今回のTOBで、ミヤノさんは、シチズンホールディングスという持ち株会社の傘下に入るわけです。
シチズンさんの元々の工作機械会社、シチズンマシナリーと構図上は、同格と言えます。
シチズンさんは、ミヤノさんの二部上場もやめないなど、独自性に気を使っているように見えます。
新聞発表でも、「買収」という言葉は出てきてません。
これは、ミヤノさんの従業員のモチベーションを下げないようしたい、離職をさせないようしたい、
という意図が見られます。
工作機械は、長年培ったノウハウが命です。
技術者や技能者が宝です。
この提携が、お互いにシナジー効果を出すには、両社のノウハウや技術が上手く融合できるか
がカギだと思います。両社が本音で心を割って仕事をしてもらいと思います。
(偉そうなこと言ってすみません。でも本気でお願いです。)
工作機械業界もグローバル化が進む中で、ある程度の規模がないと全世界に展開することが
難しくなってきたことが、業界の再編につながっているようです。
特に、これからは、BRICsと言われる新興国へのビジネスが欠かせない状況です。
中堅の工作機械メーカーは、さらにM&Aや提携が進むものと思われます。
シチズンとミヤノの売上規模は、2008年度は、市場環境が厳しくなるため600億円程度と
見られますが、まだ大手とは差があります。(最大手の森精機は、2000億円レベル)
この業界、今後も目が離せないですね。
2008年10月30日(木)~11月4日(火)にはJIMTOF2008( 第24回日本国際工作機械見本市)が
開催されます。各社どのような新戦略と新製品を打ち出してくるか楽しみです。
今回、提携したシチズンさんとミヤノさんにも期待したいと思います。
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